「住みやすい国」って本当?クアラルンプールに3年住んで感じたよかったこと・残念だったこと

コロナ禍こそ賑やかな装飾で明るさを演出する、クアラルンプールのショッピングモールのエントランス マレーシア
まきお
まきお

マレーシアの首都クアラルンプールで2024年まで暮らしていました、まきおです

マレーシアは「日本人が移住したい国」のランキングでつねに上位の常連国ですよね。

私は縁あって現地採用として、2021年から3年間クアラルンプール(KL)で生活していました。

実際に住んでみて、マレーシアという初めての国の魅力をたっぷり発見できたと同時に、外から見た日本の良さを改めて実感する貴重な経験となりました。

今回は、3年間暮らしてみて、私が個人的に感じた「よかったこと」「残念だったこと」を本音でシェアします。

「KLの実際の生活ってどんな感じ?」と気になっている方へのヒントになれば嬉しいです。

「住んでよかった」と感じた11の魅力

家賃5万円でプール付きコンド

都心エリアで月5万円前後の家賃で、一人では持て余すくらい広いコンドミニアムに住んでいました。
東京で同じ広さなら倍以上は確実です。

しかも家具付きなので引越しも楽ちん。
多くのコンドミニアムにはプールやジムも付いていて無料で使い放題です。
私は三日坊主になりましたが(笑)、活用したら自分磨きができることでしょう!

ちなみにKLは「5つ星ホテルに世界一安く泊まれる都市」と言われているくらい、宿泊コスパが高いんですよ。

もはや最重要インフラのGrab

安い・すぐ来る・目的地までピンポイントで行ける。
しかも、後にも書きますが、KLはスイスイ“歩ける道”が少ないんです。
夕方のスコールも定番なので、Grabはもはや公共交通機関以上の存在です。

初乗りは5リンギット=約150円(当時のレート1リンギット約30円)から。少し遠くの買い物でも数百円でおさまります。
オンライン決済で完結するのでスマホさえあればOK、とっても身軽です。
日本でタクシーを使うのとはまったく感覚が違うんですよね。

というわけで、Grabなしでは生きていけないKL生活なのです

「外国人」として浮かない

パビリオン・クアラルンプールから都心の眺め
パビリオンからの眺め

街を歩けばマレー系・中華系・インド系が行き交う、まさに人種のサラダボウル。みんな違って当たり前。

そのなかで外見的に日本人は中華系と極めて近く、良い意味で“外国人”感がなく、街に馴染みやすいんです。
欧米のなかの“アジア人”のような、変に気を張る必要がない居心地の良さがありました。

まきお
まきお

そのうえマレーシアは日本に良いイメージを持っている方が多く、日本人とわかるといつも好意的に接してくれました

これは日本人のロングステイ先として人気の大きな理由のひとつだと思います。

ユニクロもドンキもすぐそばにある

ドンドンドンキ Lot10 KLの店内。日本と同じく豊富な商品数と楽しい陳列。
ドンドンドンキ Lot10 KL。日本のように豊富な商品数と楽しい陳列

海外を感じたくて来てはみたけど、やっぱり「安定の、日本のあの商品が恋しい!」ってなりませんか(なりますよね)。

そんなときでも、KLならすぐ解消します。
ユニクロ、ダイソー、無印、ドンキ、紀伊国屋、やよい軒、シャトレーゼ……けっこうあります。

ダイソーで、見慣れた商品たちが並ぶあの空間に足を踏み入れたとき、懐かしいような、なんだかすごくほっとしたのを覚えています。

まきお
まきお

カラオケまねきねこでまったり&大熱唱も楽しかった~

1500円で上手なネイルに感動

ミャンマー人ネイリストさんに担当してもらった、かわいい秋色2色ネイル
秋色ネイルにチェンジ♪

なぜかショッピングモールの上層階にはネイルサロンがずらーっと並んでいることが多いです。
多すぎて、どこがいちばん安い??比較しきれないほどです。

私が通っていたお店(在KLの日本人がYou Tubeで紹介していた)もモールのなかにあって、おそらくKLでは最安値レベルの1500円くらい。
それでいて担当のミャンマー人のネイリストさんがとても上手なので、気づけば常連になっていました。

しかもこの料金で3色まで無料という最強コスパ!料金を気にせず、気分転換にちょこちょこ変えて楽しめるのがよかったです。

最後、お気に入りのミャンマー人ネイリストさんには「日本でネイルサロンを開いてね!そしたら必ず行くから!」と言って、別れを惜しんできました。

古着文化が浸透している

古着めぐりが大好きな私にとって、マレーシアでもファッションとしての古着文化が盛り上がっていることは、うれしい驚きでした。

ちょっと地味めなショッピングモールであっても何気なくスリフトストアやポップアップストアが入っていたり、街角でも日本の手づくり市みたいな並びに古着屋さんが突然現れたりと、見つけるたびにワクワクしていました。
しかも状態もセンスもかなりよくて、一度入店すると見入っちゃうんです。

セカストを発見したときはびっくりしたし、調べたらマレーシアにはすでに30店舗もあるそう。

お馴染みの服の買取も普通にやっていて、みなさん袋一杯に詰めた服を持ち寄っています。モール内にあるので買い物ついでに気軽に寄れるのも便利なんですよね。
休日になると、店の前に長蛇の列ができるくらい。

ただ処分するよりも「少しでもお得に」「誰かのためになれば」という気持ちで私も利用しますが、国を超えても同じ精神を持つ人たちがいると知って、なんだかうれしかったです。

ぶっかけ飯が最高

近所でお気に入りのナシチャンプルを大盛で
近所でお気に入りのナシチャンプル。盛り盛りです

ナシチャンプル(マレー系)とナシカンダール(インド系)、好きなおかずを選んで伝えれば次々とお皿に盛ってくれます。

お会計は目分量。ほんとに合っているのか……まあ細かいことは気にせず(笑)
驚くのは、すべてのおかずの値段を空で覚えている爆速の計算です。毎回感服していました。

このぶっかけスタイル、色々選べて楽しいし、どれを選んでもすごくおいしい!
手作りのお惣菜のようにお店ごとの味を楽しめます。

これ系のお店はどこもローカルが集うアットホームな雰囲気で、お腹空いたなと思ったら気軽に入れるのが好きでした。

「おしゃれ」のプレッシャーがない

東京に住んでいたころは、ちょっと出かけるにも「これってダサくない大丈夫?」と気にしてはコーディネートを考える手間がありましたが、KLではもっと気楽になりました。

まず年中暑いので、基本は夏服だけで足ります(ただし冷房対策は必須!)。
これとこれでどう重ね着しようか……と考える労力がなくなって本当に楽ちんです。

街を歩く人たちもTシャツとショートパンツにサンダル(つっかけスタイル)という軽装で、そのまま高級ブランドの入ったきらびやかなモールでショッピングしています。
このゆるさが東南アジアらしい光景だなと感じます。

そもそも年中スコールが多いので、おしゃれをしたところで帰りはびしょ濡れに……と考えるとこのスタイルが理にかなっていますね。

2000円でオーケストラを鑑賞

ペトロナス・フィルハーモニック・ホール(Dewan Filharmonik Petronas)内部
本番前の練習風景を間近で見られました

KLに住むならぜひおすすめしたいのが、ペトロナス・ツインタワーの中のペトロナス・フィルハーモニック・ホール(Dewan Filharmonik Petronas)です。

なんと2000円ほどでプロのオーケストラの演奏を楽しめます。
これならオーケストラといっても、日本よりずっと敷居が低いですよね。

私はクラシックを生で聴いてみたくて、ここを本拠地として活動している、マレーシア・フィルハーモニー・オーケストラ(MPO)の演奏会へ数回行きました。
真ん中の席で3000円ほどでした。

ふらっと非日常的な空間へアクセスして贅沢なひとときを味わえる、小粋な大人の楽しみ方って感じです。

ちなみにMPOでは、日本人奏者や音楽監督の方も活躍されているそうですよ。

まきお
まきお

ドレスコードもゆるめでキレイめカジュアルでも全然OK。気張らず行けるのがいいですね

「ここは残念」と感じたリアルな本音

南国なのにすっきり晴れない

クアラルンプール中心部のムルデカ広場に臨む、時計台が素敵なスルタン・アブドゥル・サマド・ビル
時計台が素敵なムルデカ広場のスルタン・アブドゥル・サマド・ビル

ヘイズ(インドネシアからの煙害)の影響が大きいのか、太陽は出ていてもどこか霞がかっていて、思えば日本の冬のような真っ青に澄み切った空を見た印象があまりないんです。
南国=青空というイメージで行ったので想定外で、少し寂しくもありました。

たとえば「ロンドンは曇り空ばかりでメンタルにくる」と聞きますが、私も天気が気分に影響しやすいほうなので、分かります。
かろうじてKLは太陽は見えていたので救われましたが、もしほとんど晴れの日がないとかであれば、じわじわ病んでしまっていただろう……と思います。

四季が恋しくなる

クアラルンプールの繁華街ブキッ・ビンタンにある有名な屋台街、賑やかなアロー通り
熱気のあるブキッ・ビンタンの屋台街アロー通り

暑いクリスマス、というのはいまいち気持ちが乗ってきません。
澄んだ冬の空気と光るイルミネーションの組み合わせがないことで、あの年の瀬特有の、切なくもワクワクする感じが薄いんですよね。

寒さは得意じゃなかったはずなのに、マレーシアのぬるい空気に毎日浸かっていると、冬のきりりと冷えた空気で頭がクリアになる気持ちよさや雪景色の美しさが、だんだん恋しくなってくるので不思議です。

季節のある国ではその変化に順応する大変さがある反面、季節の移ろいがあるからこそ私たちは日々を新鮮に楽しめていたんだ、四季があるってほんと素晴らしいなあと、南国で改めて実感しました。

道が歩きづらい

ショップハウスが並び通りには多くの車やバイクが停まっているクアラルンプールの下町
ショップハウスが並ぶKLの下町風景

東京では1〜2時間の散歩は余裕で楽しめるくらい、私は歩くことが好きです。

一方、KLは都心でありながら歩道がデコボコだったり突然無くなっていたりと整備されていない部分が多く、安定して歩ける場所が少なめです。
一見すると都会だけど、こういうインフラの未熟さに直面すると、ここは東南アジアだったと気づかされます。

歩きづらいし暑いしでGrabが大活躍なんですが、快適である反面、運動不足が加速するというジレンマが。
歩きたいのに歩けない、私にとってモヤモヤを感じるポイントでした。

まきお
まきお

それでもKLには緑のある公園も多いのでウォーキングや、郊外へ行けばサイクリングもできるので、アクティブに過ごす方法はあります

街のにおい問題

道を歩いていると、そこかしこで異臭が漂ってきます。

整備されていない下水管(配管トラブルは日常茶飯事です)から来ているのが大きいと思います。
つねにあちこちで建設工事をしているので、その現場からの化学物質的なにおいも混ざるのでしょう。

また飲食店の裏通りの散乱具合は、きらびやかな街の裏側という感じです。元気に走る“小動物”にも出くわします……

これには3年住んでも慣れはしませんでしたが、「ここは東南アジアだ」と言い聞かせながら、できるだけきれいなルートを選ぶなど自分なりの工夫で凌いでいました(笑)

まきお
まきお

強烈なにおいといえばドリアン!食べれば最高にリッチなおいしさです

トイレ……

日本のトイレ水準がすでに高すぎるのはわかっています。
けど、それで育ってしまったからには仕方ない。

KLの主要なショッピングモールやきれいめな飲食店であれば全然許容範囲ですが、郊外やマイナーなエリアへ行けば行くほど、ワイルドさは増します。
初めて行く方は心構えをしておくと賢明です。

個人的な対策は、におい同様「ここは日本ではない。自分で選んで東南アジアに来たんだから」と唱え続け、自分を励ましそして順応させたことです。

砂糖と油がたっぷり

クアラルンプールで一番美味しいというRSMYのチーズナン。一緒にビリヤニも。
RSMYという「KLで一番のチーズナン」のお店。ビリヤニもおいしい!

多民族の様々な料理を楽しめる魅力がある一方で、気をつけたいのは、マレーシアの料理には砂糖と油がたっぷり使われていることです。
飲み物だとテ・タレ(甘いミルクティー) やミロが有名で、どれもとにかく甘いです。
こちらでは、市販の緑茶やコーヒーにもデフォルトで砂糖が入っているので注意。

あるとき食堂で“どピンク色”のジュースを見かけて、あれは何?と聞いたら「Very sweet!」とだけ返ってきました。
調べたら、正体はローズシロップという激甘エキスと練乳のミックス……ぎゃーー。

暑い国で甘いものが好まれるのは、素早くエネルギーを補給できることや、糖分に体温を下げる効果があるからだそうです。
現地の人は「マレー料理は辛いから甘いものが最高に合うんだ!」と実にシンプルですが。

この時期ちょうど私はコロナ渦のStay Homeをきっかけに、「健康」に目覚め意識高い系になっていました。
デリバリーや外食はご褒美として楽しみ、基本は自炊を心がけるようになったので、結果的には食生活を見直すいいきっかけになったと思います。

まきお
まきお

東南アジア糖尿病率ワースト1位のマレーシア。まさに物語っています……

お酒が高く種類が少ない

レジェンド・プレミアムラガーというマレーシア製のビール
マレーシア製のビール、レジェンド・プレミアムラガー

国がイスラム教なので制限がかかり酒税が高く、かつ輸入品への関税がかかるため、価格が上がります。
ビール1缶250円~400円、ワインは安くても1600円くらい。
スーパーのお酒売り場というと、豚肉売り場と並んで、端のほうにひっそりとあります。

そして選択肢も限られます。ハイネケンやギネスなど有名どころが中心、アサヒスーパードライもあればラッキー。
糖質オフやプリン体ゼロなんかの次元ではありません。

日本のスーパーのお酒コーナーにずらりと並ぶ圧巻のバラエティと、ワンコインで買える安旨ワインのありがたみをかみしめました。

しかし、実はこれは私にとってメリットにもなりました。
今まで帰宅後の缶ビールが習慣だった私も、マレーシアではお酒との距離ができたことで、お財布にも体にも優しくなれたんです。

お役所のスローな洗礼

出国前に納税手続きのためHasilという税務署へ何度か行く必要があったのですが、完了するまでが大変でした。

お互いに覚束ない英語でちゃんと通じているか不安になりながらも、こちらは出国日が迫っています。
無事の帰国がかかっているんだと必死に焦りをアピール。

しかし私の本気度は届いていないのだろうか、職員の動きがとにかくマイペース。明らかに目の前の作業がスロー。

しかも「担当はあの彼です、やっぱりこちらの彼女ですね」という具合になかなか正解の担当者にたどり着きません。
状況の説明無く延々と待たされるしで、毎回怒りを露わに詰め寄っていました。

マレーシア人の国民性としてよく挙げられますが、「もっとテキパキ働いてーー!」となってしまう私は、やっぱりちゃんと日本人でした。

まとめ

クアラルンプールのランドマーク「ペトロナスツインタワー」のきらびやかな夜景
ペトロナスツインタワー夜が最高に綺麗でおすすめです

マレーシア、どんなイメージを持ちましたか?

私にとってKLでの暮らしは、海外なのに親しみやすくて、自然体の自分で過ごせた日々でした。
冒頭にも書きましたが、マレーシアと日本両方の魅力に気づくきっかけにもなりました。

残念と感じた部分も、きっと日本と比べてしまっただけで、言い換えればこれからの発展が期待できる「伸びしろ」なのかもしれません。

数年後にまた訪れたら、きっとびっくりするくらい変化を感じられる、興味深い国だと思っています。

そんなエネルギーと可能性に満ちたマレーシアが気になる方は、ぜひ一度、その空気を肌で感じてみてください。

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